聴覚筋トレーニング【ゲンキの時間 7月24日】老人性難聴・耳鳴り・山岨達也・補聴器
2016年7月24日ゲンキの時間は老人性難聴の仕組みと聴覚ネットワーク
を鍛える聴覚筋トレーニングなどが紹介されました
山岨達也先生
東京大学医学部 耳鼻咽喉科学教室教授
難聴のサイン
良く似た単語の聞き間違いをするのは難聴のサイン
年を取ると耳が遠くなるのは仕方がないとあきらめている方も多いが
年をとっても高い聴力を維持することは可能とのこと
難聴が引き起こすトラブルとリスク
耳が遠くなるとコミュニケーションでトラブルが生じ、孤立や
引きこもりに繋がるケースが増えている
そして孤立はさらなる不幸の引き金に…
アメリカの調査で難聴者の認知症へのリスクを調べたところ
重度の難聴の人は5倍も認知症になりやすいという結果が!
なぜ年をとると耳が遠くなるのか
音は耳に入ると鼓膜で増幅され、蝸牛で電気信号に変換され
脳へ伝わる
蝸牛の中には毛のような細胞(有毛細胞)があり、それらが
伸縮することで音は電気信号に変換される
ところが、年をとるとこの有毛細胞が壊れていく
壊れていくのは、高い音を感知する外側の有毛細胞からなので
高齢者は高い音が聞こえづらくなる
老人性難聴
私たちは耳からの情報を脳に伝達する際、邪魔な音はシャット
ダウンし、必要な音のみを選択して聞いている
しかし、年をとるとそれが選択できなくなる
また、こもった感じで聞き取りづらいのは、母音は低温で比較的
聞き取れるが、子音は周波数が高いものが多く聞き取りづらい
若い頃ははっきりと「雑音との聞き分け」「子音の聞き取り」が
できていたのが、年をとることで何を言っているのか聞き取り
づらくなる
張力アップの秘訣「聴覚ネットワーク」とは?
人が会話をしている時は、100%すべての音声を聞き取っている
わけではなく、重要なキーワードを取り出し予想している
例えば「#ぁようびですよ」としか聞き取れなくても音に関する
神経がカバーしあって類推し「かようびですよ」と正しい答えを
出してくれる
聴覚ネットワークを鍛える聴覚筋トレ
類推する聞き取りを鍛えることが大事
やり方
「一(いち)」「七(しち)」「吉(きち)」など、音の響きの
似た言葉を紙に書き、1人がランダムに読み上げ、もう1人が
その言葉を復唱する
この時、言う人の口の動きで推測できないよう、背後から出題
してもらう
音に集中し、聴覚ネットワークを鍛えることが大事!
また、聴覚ネットワークを耳が元気なうちから鍛える事で難聴
予防に役立つと考えられている
お年寄りに話しかける時の注意
聞こえていないわけではないので、耳元で大声で話しかけると
耳を痛めてしまうため、自分の口元が見えるようにゆっくりと
丁寧に正面から話すことが大事!
また、よく聞き間違いをしやすい「しちじ」と「いちじ」を
「しちじ」→「ななじ」と言葉の工夫をしてあげるのも良い
老人性難聴が原因の耳鳴り
音が聞き取りづらくなると、脳は聞こえなくなった音を必死に聞こう
として興奮状態になり、その結果脳内の様々な電気信号を音として
感知してしまい耳鳴りが起こる=耳鳴りは脳が作り出した音
ひどくなると睡眠障害になったり、精神的に追い詰められ「うつ」に
なってしまうことも
耳鳴りの治療「補聴器」
かつては治療法がなく、気にしないようにするしか方法がなかったが
聞こえない音を聴こうとして脳が興奮して耳鳴りが起きていたため
あえてその音を聴かせてあげて脳を落ち着かせられる補聴器が効果的
使う人のレベルに合わせ、聞こえない音域のみを増幅することが可能
になった、補聴器のめざましい進歩があったからできる治療法
補聴器を購入する際は、補聴器相談医がいる病院を受診し、認定補聴
器専門店を紹介してもらい、聞き取り、難聴の度合いを検査し、その
人にあった補聴器を作ることが大切
タグ:ゲンキの時間
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