排便困難型便秘対策法【ガッテン! 3月14日】便秘薬・便の色・バイオフィードバック療法・高野正太

2018年3月14日ガッテン!は便意はあるのに出ない!?
便秘の新タイプ解消SP
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高野正太先生

大腸肛門病センター 高野病院副院長
高野正太

排便困難型便秘とは?

便秘1
2017年に発表された「便秘診療ガイドライン」の中で
注目されるのが新しいタイプの「排便困難型便秘」

便秘2
何日間もお通じ(便意)が来ない一般的な排便回数減少型
とは違い、肛門付近の直腸まで便がきていても、そこから
便が出せないというタイプのもの

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食物繊維や適度な運動、便秘薬に腸内環境の改善などの
対策がほとんど効かない
便秘患者の2~3割が該当すると言われている
その原因は直腸周辺の筋肉の働き

便秘4便秘5
肛門の近くにある恥骨直腸筋は力が入ると直腸を締めて
便を止めるが、便を出そうといきんだ時にも、ぎゅっと
締まってしまい肛門が開かない
※排便困難型には直腸の形が変わってしまう「直腸りゅう」
 や、筋肉の働きが原因ではない便秘も含まれる

排便困難型便秘の対策

【肛門を締めたり緩めたりする運動】
ぎゅっと力を入れて筋肉が疲れたところで脱力して
肛門から力を抜いた感覚を体に思い出させるのが目的

運動1
肛門をぎゅっと締める
1、2、3、4、5と、5秒ほどかけて数を数える

運動2
ふっと脱力し肛門を緩める
1、2、3、4、5と、5秒ほどかけて数を数える
これらを1日に10~20セット程度行う
1カ月間続けてみて改善できるか判断する

【排便しやすい前傾姿勢】
運動3運動4
ひじが太ももにつくぐらいの前傾姿勢をとる
前かがみになる前傾姿勢をトイレの中で行うことで
恥骨直腸筋が緩みやすくなり、曲がっていた直腸も
まっすぐになるので排便しやすくなる

排便困難型便秘の有効な治療法

【バイオフィードバック療法】
専門の病院で受けるものでガイドラインでも推奨
されている治療法
欧米で発展したもので日本ではまだ受けられる病院
は少ないのが現状だが徐々に増える可能性が

治療1治療2
肛門に圧力測定器を仕込み、いきむ時に便を出そう
とする直腸内の圧力と、止めようとする肛門付近の
圧力を測定

治療3
目で確認しながら、肛門の力を緩める感覚を覚える治療

便秘薬の使い分けについて

便秘薬1
便秘薬にはいろいろなタイプがあり、それぞれに特徴と
注意点がある
処方されるものは医師や薬剤師の指示をよく聞き、市販
のものは、それぞれの商品の注意書きをよく読んでから
使用すること

便秘薬2
【刺激性】
大腸の壁を刺激し、ぜん動運動を促して便を排出すると
いうもので市販の便秘薬の大半がこのタイプにあたる
刺激性の便秘薬は即効性があるが、腹痛や下痢っぽくな
ってしまうことがあったり、使いすぎると効き目が悪く
なったりするという特徴がある

【新しいタイプ(ルビプロストン)】
便秘薬3便秘薬4
近年登場した新しいタイプの便秘薬がルビプロストン
腸内の水分泌を促し便を軟らかくすることで、排出しや
すくすくなり依存性もない
ただし、使用すると気分が悪くなってしまう副作用が
出る人もいる

【浸透圧性(酸化マグネシウム)】
酸化マグネシウムを使用したタイプの便秘薬で、市販も
されている
これも腸内の水分泌を促し便を軟らかくするものだが
マグネシウムは腎不全患者が使用すると高マグネシウム
血症を引き起こす可能性があるので腎臓が悪い人は使用
するとき注意が必要

毎日の排便チェック

排便1排便2
痔でもないのに、赤い血便が長期間続く時は「大腸がん」や
「潰瘍性大腸炎」などの病気の可能性あり

排便3排便4
黒色の便が続く時は「胃や食道の出血」
緑色の便が続く時は「腸の調子が悪くなっている」
※便の色は直近の食事にも左右されるため1日や2日だけ
 の便の変色はそこまで気にする必要なし

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