寒暖差疲労対策【ゲンキの時間 3月18日】自律神経の乱れ・鼻炎・うつ病・川嶋朗

2018年3月18日ゲンキの時間は,寒暖差疲労の原因と対策
20180318101125

川嶋朗先生

東京有明医療大学
保険医療学部鍼灸学科教授
医学博士
川嶋朗

「寒暖差疲労」基礎クイズ

クイズ1
正解:15日
クイズ2

寒暖差による体調不良

差1差2
寒暖差が激しい春は自律神経が乱れ活性酸素が多くなりやすいため
体調を崩す人が多くなる
この時期の寒暖差での体調不良は夏バテのきっかけになる可能性も

自律神経1
自律神経とは、無意識のうちに身体の各機能を調整するように働く
神経で緊張状態の時に優位になる交感神経と、リラックスしている
時に優位になる副交感神経の2種類がある

自律神経2
寒い場所では交感神経が、暖かい場所では副交感神経が優位になり
体温を調整する働きをするが、寒暖差が激しくなると、それが大き
なストレスとなり、交感神経が優位になりっぱなしになることがあ
り、その影響で活性酸素が増える

活性酸素1活性酸素2
活性酸素は殺菌力が強く細菌などを撃退する役目がある反面、増え
すぎると正常な細胞なども攻撃してしまい、人体を酸化させ害を及
ぼす事もある

活性酸素3
さらに、春は気圧の変化が激しく、異動や転勤の季節でもあるため
それらがストレスとなり、寒暖差以外でも自律神経を乱す要因となる

自律神経の乱れが原因となる病気

【血管運動性鼻炎】
通常、鼻の毛細血管は鼻付近の体温などを調整するため寒いと
交感神経の働きで縮み、暖かいと副交感神経の働きで広がる
しかし、早朝など急激な寒暖差を感じると自律神経が乱れて
機能しなくなり、鼻水が止まらないなどの症状を引き起こす

血管運動性鼻炎

【うつ病】
緊張やストレスで交感神経が優位になると、脳を活性化させる
ドーパミンやセロトニンが分泌され活動状態になり、そんな時
に寒暖差などの影響でストレスが加わると、張り詰めていた
交感神経が副交感神経に傾き、今度は元に戻らなくなってしまう
自律神経には180度ひっくり返る性質があるため、交感神経が
ピークに達すると副交感神経が優位になり、やる気を起こす
ドーパミンやセロトニンが減ってしまい「うつ病」と同じ状態
を起こす

【その他】
他にも自律神経の乱れによって気管支ぜんそくやアトピー性
皮膚炎などのアレルギーの病気が悪化する可能性も

寒暖差の影響は人によって差がある!?

寒暖差の影響は体質によっても異なるが、生活習慣が影響して
いる事も多い
特徴
1・2の経験がある人は、体質的に寒暖差に弱い傾向がある
ため注意が必要
3に当てはまる場合、生活リズムが不規則だと自律神経が
整いにくくなる
4に当てはまる場合、飲酒量が多いと分解のために余分な
エネルギーを消費するので、その分寒暖差に影響を受けや
すい身体になってしまう
5に当てはまる場合、ストレスは交感神経を優位にさせるた
め寒暖差に弱くなり、またストレスがかかり続けると交感神
経優位の状態が続くため、その結果疲弊して自律神経による
調整がきかなくなる

3つの寒暖差疲労対策スイッチ

寒暖差に負けないためにも、自律神経のバランスを整える事
が大切
特にストレスの多い現代社会では、常に交感神経にスイッチ
が入って疲れてしまうので、日頃から副交感神経を優位にして
自律神経のバランスを整えましょう

1つ目のスイッチ「目」

目の奥にある動眼神経という脳神経が副交感神経なので、そこ
を刺激する事によって副交感神経にスイッチが入る

【目元温め法】
1:タオルを水で濡らす
2:500Wの電子レンジで40秒温める
  タオルは人肌より少し熱い40℃くらいが適温
3:タオルを目の上に2分間のせる
これだけで副交感神経に切り替わる
女性が眠る前にやると、翌日のお化粧のノリも良くなるとのこと

2つ目のスイッチ「指先」

指先1
指の爪の生え際にある井穴(せいけつ)というツボに、自律神経
を切り替えるスイッチがある
実は身体の末端である指先は、動脈から静脈へと血管が切り替わ
るポイントで、この部分の血行が良くなると、心臓へと巡る血流
も促進し身体全体が温まり、リラックスする事ができる

【指先揉み法】
指先2
爪の両側を指で挟み、グリグリと左右にひねる
指1本に対し10~20秒行う
時間がある方は、もう少し時間をかけて行うとより効果的

指先3
また、井穴は副交感神経へのスイッチだが、薬指だけは別で
交感神経へのスイッチなのでシャキッとしたい時は、薬指を
揉むと効果があるとのこと

3つ目のスイッチ「呼吸」

息を吐く事によって副交感神経を優位にするスイッチが入る
呼吸の中でも息を深く吐く「腹式呼吸」がオススメ

【腹式呼吸】
腹1
姿勢を良くして、両手をお腹の上に置き、息を3秒吸って
6秒で吐く
10回ほど繰り返すと効果が期待できる
姿勢が良い状態であれば、寝る・座る・立つなど、どんな
体勢でも効果がある
お腹が膨らむように吸って、お腹がへこむように吐くのが
ポイント

その他
また、根本的に体質を寒暖差に対して改善するには適度な
運動がオススメ
適度な運動とは、自分にとって少しだけきつい運動をいう
例えば、普段の1.5倍のスピードで歩く、階段を使う
電車などでは座らないなど

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