へルペス・帯状疱疹・原因・予防法【ゲンキの時間 4月29日】免疫力アップ法・水ぼうそう・松尾光馬

2018年4月29日ゲンキの時間は,本当は怖いヘルペス
帯状疱疹の原因と予防法
20180429103521

松尾光馬先生

東京慈恵会医科大学附属病院 皮膚科 非常勤講師
中野皮膚科クリニック 院長
松尾光馬

ヘルペスとは?

ヘルペスとはヘルペスウイルスというウイルスの総称で
感染して発症すると皮膚に水ぶくれを作る
人間の皮膚に水ぶくれを作るヘルペスウイルスは3種類
ヘルペス0

最もポピュラーなヘルペス「単純ヘルペス1型」

ヘルペス1
唇や目の周りなどに水ぶくれを作り、再発を繰り返す
目の横にできる場合、角膜炎となり視力が落ちる事も
まれに脳にウイルスがいき脳炎で死亡するケースもある
など命の危険も伴う油断できない皮膚症状
ヘルペスウイルスに感染している人は30代で約半数
40代で7割以上、60代で9割近く

再発を繰り返す理由

ヘルペス2
顔には目・上あご・下あごに向けて3本に枝分かれして
いる三叉神経がある
単純ヘルペスウイルス1型は3本の神経がぶつかる神経節
に潜伏しており普段は大人しくしているが、きっかけが
あるとウイルスが増殖し神経に沿って這うように移動し
目や鼻・口などの皮膚に到達すると水ぶくれを作る
そして再び神経節へと戻って潜伏し再発のきっかけを狙う
またウイルスは増殖して神経節に戻るため、潜伏する
ウイルスの量が多くなると再発のリスクが高くなる

ヘルペスが再発するきっかけは「免疫力の低下」
神経節に潜伏しているヘルペスウイルスは普段免疫細胞に
悪さをしないよう監視されているので宿主が元気で免疫力
が高い時は発症が抑えられている
しかし睡眠不足や体調不良、ストレスなどで免疫力が低下
するとウイルスが増殖し水ぶくれが再発してしまう

夏に出るヘルペス

夏1夏2
夏になるとヘルペスが出る場合は紫外線が影響している可能性が!
皮膚表面にはランゲルハンス細胞という免疫細胞の司令塔が存在
このランゲルハンス細胞は紫外線に弱いため、強い日差しを浴び
るとダメージを受け、免疫細胞がうまく機能しなくなる

夏3夏4
その結果皮膚表面でヘルペスウイルスが増殖してしまう
紫外線が強くなってくるこれからの時期は、ヘルペスが出た事が
ない人も要注意!

症状が出た時に気をつける事

女性はお化粧を落とす時に水疱が破れたり、かさぶたが
取れたりする事があるのでなるべく刺激を与えないよう
に気をつけること

水ぶくれが破れて中の液体が他の場所に付くと、ウイルス
が拡散する事がある
また症状が出ている時は他人への感染防止のため、タオル
や食器の併用を避ける事も大切

ヘルペスウイルスをなくす事はできないのか?

神経節に潜伏感染しているウイルスを殺すためには神経細胞
まで壊さなくてはならず、そのような薬剤はないため
へルペスウイルスをなくす事はできない
だからこそヘルペスで大事なのはとにかく再発させない事!
再発防止のカギとなるのが「免疫力」!

オススメ免疫力アップ法&対策

へルペスが多発するのは免疫力が下がっているサイン
心身ともに健康的な生活でヘルペスの再発を予防!

発酵食品
【発酵食品】
日々の食事にヨーグルトや納豆などの発酵食品を取り入れる
乳酸菌や納豆菌で腸内環境を整える事で、免疫細胞を活性化

入浴
【41℃のお湯で入浴】
副交感神経が優位になる41℃のお湯で入浴
副交感神経が優位になると免疫機能が高まる

日焼け止め
【日焼け止め対策】
日差しが強い日に外出する時はしっかりと日焼け止めを塗る
紫外線による肌の免疫力低下を防ぐ事でヘルペスの再発を予防

50代で急増!激痛が襲う帯状疱疹

帯状疱疹1
帯状疱疹はウイルスが原因で身体や顔面など広範囲にわたり
激痛を伴う

帯状疱疹2
発症率は年々増加しており、成人の9割以上に発症の可能性
があると言われている

帯状疱疹3
帯状疱疹の原因となるウイルスは「水痘・帯状疱疹ウイルス」
と呼ばれる「水ぼうそう」のウイルス

帯状疱疹4
子どもの頃に感染すると水ぼうそうが発症

帯状疱疹5
水ぼうそうの症状が治まってもウイルスがいなくなったわけ
ではなく、実は神経節という部分のいずれかに潜伏し、密かに
生き延びている

帯状疱疹6
そして免疫力が低下するとウイルスが増殖し、神経に沿って
帯状に発疹が現れる

帯状疱疹7
年代別でみると50代で発症率が急激に高まっている
これは加齢による免疫力の低下と考えられる

帯状疱疹の発症率が高まっている原因

帯状疱疹8
水痘・帯状疱疹ウイルスに対する免疫は「水ぼうそうの子ども」
と接する事によって高まる
昔は日本のほとんどの子どもが水ぼうそうにかかっていたため
触れ合う大人は帯状疱疹の免疫が活性化していたが、水ぼうそう
のワクチンが普及した事で水ぼうそうになる子どもが激減し大人
たちは免疫を活性化する機会が減り、帯状疱疹を発症する人が
増えてしまったと考えられている
また核家族化なども帯状疱疹患者の増加の原因と考えられている

帯状疱疹は早めの治療が大切!

帯状疱疹9
帯状疱疹が発症してしまった場合は一刻も早い治療が肝心
治療が遅れてしまうと炎症によって神経が損傷することがあり
皮膚症状が治っても長期にわたって痛みが残る事が!

帯状疱疹10
これは帯状疱疹の後遺症・神経痛と呼ばれるもので後遺症は
神経痛の他にも脳炎や顔面麻痺、難聴、めまい、排尿・排泄障害
など多岐にわたる
後遺症を残さないためにも早い段階で治療を受けることが大切!

帯状疱疹の見極め方

見極め1
早い治療が大事な帯状疱疹だが、初期症状の段階では虫刺されや
かぶれと勘違いしてしまうことも…

【帯状疱疹の特徴】
1:前駆痛
発疹が現れる4~5日前に痛みが出る事が多く、前駆痛の有無が
帯状疱疹の一つの目安になる

2:発疹に痛み
発疹に痛みがある事が帯状疱疹の大きな特徴
虫刺されはかゆみを伴う事が多いが、帯状疱疹の場合にかゆみを
伴う事はまれ

3:左右片側で帯状
症状は片側に出ることがほとんど
神経に沿って出るのでほとんどの場合が帯状に出る
症状が出たら少なくとも3日以内に治療する事が必要
まれに左右両側に発疹が出る場合もあるため見慣れない発疹が
出た場合は皮膚科で受診を!

帯状疱疹ワクチン

50歳以上が対象の予防接種
予防接種を受ける事で発症率や後遺症のリスクを大幅に抑えら
れるとのこと
費用:約1万円
効果:7~8年持続

コメントは受け付けていません。

サブコンテンツ

このページの先頭へ