熱中症と間違えやすい病の対処法【ゲンキの時間 7月23日】脳梗塞・腎臓病・脱水予防・瀧澤俊也・横尾隆
2017年7月23日ゲンキの時間は,熱中症と間違えやすい二大病
「脳梗塞・腎臓病」その理由とならないための対処法などが
紹介されました
瀧澤俊也先生
東海大学 医学部
神経内科学
医学博士
横尾隆先生
東京慈恵会医科大学
腎臓・高血圧内科 主任教授
医学博士
熱中症と間違えやすい病:脳梗塞
脳梗塞は高血圧や動脈硬化による血栓などが原因で血管が
詰まり、脳の神経細胞が死んでしまう病
寝たきりや後遺症による長期のリハビリ、一歩間違えれば
死に至る危険な病
血圧の上がりやすい冬に多いと思われがちだが、実は最も
多いのは6月~8月で夏に多い病気
この夏特有の脳梗塞の主な原因は脱水
脱水状態になると身体の水分が減ってドロドロの血液になり
さらに血液の赤血球が固まって「凝集塊」というものを作り
これが血管に詰まってしまい脳梗塞になることがある
また脳梗塞といっても、めまいやふらつきなど熱中症の
ような症状を伴う脳梗塞もある=「ラクナ梗塞」
これは脳へ入っていく細い糸のような血管が、凝集塊などで
詰まって引き起こされる
「ラクナ梗塞」は死ぬ神経細胞が少ないため熱中症のような
小さな症状が出る
しかし、放置してしまうと手足のマヒが起きて歩けなくなる
こともあるので要注意!
一方、ラクナ梗塞ではない太い血管が詰まる脳梗塞は周りに
ある多くの神経細胞が死んでしまうため、半身麻痺や意識障害
ろれつが回らないなど大きな症状が出る
熱中症と間違えやすい病:腎臓病
腎臓の中にある「糸球体」は血液をろ過
老廃物や余分な水分が尿となる
夏に腎臓病が多いのにも脱水が大きく関係している
脱水状態になると血液量が減り、血圧も下がると腎臓の中で
血液をろ過している「糸球体」という部分にあたる圧力も
下がるため、老廃物が通過することができなくなり尿毒素と
して体内に溜まってしまる
この尿毒素が急に溜まった状態が「急性腎障害」と言われる状態
さらに、脱水状態になり体内の水分量が減ると老廃物の量は
変わらないまま水分量が減るため、尿が濃くなる
すると腎臓の中でカルシウムと老廃物であるシュウ酸などが
結合しやすくなり「腎結石」ができてしまう
この結石が大きくなったり尿管に詰まったりすると激痛を
引き起こす
「脳梗塞・腎臓病」両方を引き起こす負のスパイラル
腎臓は「尿細管」と呼ばれる場所で体内の水分量の調節も
している
しかし加齢などで尿細管が衰えると尿を濃くできず、必要な
水分まで排出されるため夜トイレに行く回数が増えてしまう
すると夜トイレに行くのを避けるため、就寝前に水を飲まずに
寝てしまい、尿細管の機能は低下しているため、やはり夜中に
トイレに行き、また水分を摂らずに寝てしまう
さらに夏の夜は気温も高く汗も多く
この状態を繰り返すことで脱水状態になり、血液はドロドロ
になり、腎臓の病気になりやすくなる
そしてこの状態からなりやすいもう一つの病気が脳梗塞で
夏の明け方は一番脳梗塞を起こしやすい時間帯
就寝前には必ず水分を摂るよう心掛けると良い
夜寝る前と朝起きた後に体重を計り、0.5kg以上減っている
場合は脱水している可能性がある
脱水予防のポイント
「ノドの渇き」や「だるさ」などの症状を感じるときは
軽度の脱水状態
「口の中が渇いてネバネバする」「尿量が少なすぎる」など
は中度の脱水状態の可能性が
「意識がもうろうとし血圧も低下してしまう」と高度の脱水状態
この状態では脳梗塞だけでなく様々な要因で命の危険がある
・1日の水分摂取量は1.5L以上が理想
「脳梗塞」の基礎クイズ
正解:C(32℃)
暑い日は注意が必要!
タグ:ゲンキの時間
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