血液検査・結果の見方【ゲンキの時間 4月15日】超悪玉コレステロール・動脈硬化・健康診断対策・西崎泰弘

2018年4月15日ゲンキの時間は,命を守るドリル
~健診結果の見方 血液編~
20180415094309

西崎泰弘先生

東海大学医学部付属東京病院 病院長
医学博士
西崎泰弘

健康診断の基礎クイズ

問題:健診の時にやってはいけない行動はどれ?
1:朝ごはんの代わりにバナナを食べる
2:居眠りをする
3:ガムを噛む
4:遅れそうになり全力で走る
5:腕時計やネックレスをする
6:採血後に水を飲む
【答え】
クイズ1
1:胃酸の分泌や血圧の上昇に影響するため健診前
  10時間は飲食禁止
  お酒やたばこなども胃酸の分泌や血圧などに
  影響するため控える事が大切
3:ノンシュガーのガムでも少量の糖を含んでいる
  場合があり、味がする事によって胃酸の分泌を
  促してしまう
4:全力で走ると血圧測定に影響が出てしまうだけ
  でなく、筋肉内のLDHやGOTなどの数値が
  高くなってしまうので、肝機能の数値を正しく
  測れなくなる
5:レントゲンや心電図に影響が出るため、腕時計
  やネックレスはNG
「居眠り」と「採血後に水を飲む」のは検査に支障
はないが、胃カメラを控えている場合は水は1時間
前までなので注意が必要とのこと

A・B判定でも安心じゃない!?

【健康診断の判定区分】
結果2
検診の結果でたとえA評価やB評価が出たとしても
手放しでは安心できないとのこと
検診結果の中に健康リスクへのヒントが隠れている

【注目は「脂質」】
結果3
B判定は基準値を少し超える程度と油断しがち
でも実はその中には隠れた動脈硬化のリスクがあり
それが狭心症や心筋梗塞の原因になる場合も

グラフ1
心筋梗塞や脳卒中などの動脈硬化性疾患は日本人の死因の
2位と4位
1位のがんに迫る人数が動脈硬化のために命を落としている

コレステロール1
動脈硬化を知る上で最重要項目なのが脂質の一種コレステロール
コレステロールは本来身体にとって大切なもので細胞膜やホルモン
などを構成する材料のひとつ
肝臓で作られたコレステロールを全身に運ぶのが悪玉LDL
余分なコレステロールを回収するのが善玉HDL

コレステロール2コレステロール3
ところが、そのバランスが乱れ、悪玉が増えたり善玉が減ったり
すると回収されずに残ったコレステロールが血管壁に入り込むなど
してプラークを作る

コレステロール4
プラークを放置しておくと、まるで老朽化した水道管が詰まった
ような状態に
すると、血管は劣化して弾力を失い、動脈硬化が進行
血栓ができ、心臓病や脳卒中などのリスクが高まってしまう

動脈硬化のリスクが分かる「LH比」とは?

【LH比の計算方法】
計算1
LDL(悪玉)÷HDL(善玉)=LH比

計算0
1.5を下回っていたら健康体
数値が2.5を超えている場合は、じわじわと動脈硬化が
進行している可能性が!

例えば…
計算2計算3
A判定・B判定だったとしても注意が必要

計算4
脂質B+血圧B=動脈硬化のリスクが高くなる
血圧が高めということは血管に強い負荷が掛かり続けている状態
そこに余分なコレステロールなどが運び込まれることで、血管が
傷ついてボロボロになり将来的に動脈硬化を引き起こす危険が!

計算5
血糖値B+肝機能B=糖尿病のリスクが高くなる
肝臓は糖を取り込む最大の臓器で血糖値の調節にも深く関係している
肝機能が悪いと脂肪肝に陥っている可能性があるため、糖の調節が
悪くなり糖尿病のリスクがさらに高くなってしまう

【尿酸値の数値が高い】
また尿酸値の数値が高い場合は腎臓の働きが低下して、尿の中に
尿酸を出せず血液中に残ってしまっている状態
そのため痛風だけでなく、腎機能障害や最悪の場合は腎不全から
透析になる場合も
また尿路結石のリスクも高くなる

動脈硬化の真犯人「超悪玉コレステロール」とは?

LDLコレステロールB+中性脂肪Bの方は要注意!

超悪玉1
超悪玉コレステロール(sd-LDLコレステロール)は
LDLコレステロールの中にあり、心筋梗塞など動脈硬化
性疾患の直接的な原因とされる
通常のLDLコレステロールよりもはるかに小さく、通常
の血液検査ではその量を測ることができない

超悪玉2超悪玉3
血管内のちょっとしたキズや血管壁に次々入り込み、血液
の流れを阻害し動脈硬化を引き起こす

そしてLDLコレステロールB+中性脂肪Bの人は
その超悪玉コレステロールが潜んでいる可能性が高い
超悪玉コレステロールの数値は20mg/dL未満であれば正常
40mg/dLを超えるとかなり危険で、数値が高ければ高いほど
心筋梗塞のリスクが増える

超悪玉コレステロールの値は中性脂肪に連動して大きくなる
ため、対策には中性脂肪を落とす事が重要
甘いものや炭水化物の量を減らす
運動によって善玉HDLの数を増やす事も重要

ちなみに超悪玉コレステロールの検査は原則・保険適用外だが
最近では人間ドックのオプションとして追加できる医療機関も
増えているとのこと

来年の健康診断に向けて対策クイズ

問1
正解:A(サバ)
サバにはオメガ3を含む不飽和脂肪酸(EPA・DHAなど)が
多く含まれており、中性脂肪を下げる効果が
一方ササミは脂肪分は少ないが中性脂肪を下げる効果はない

問2
正解:B(サトイモ)
サトイモはカリウムや水溶性食物繊維を豊富に含んでおり
血糖値を下げる効果が

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